謹啓 錦秋の候、益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
去る九月二十三日は、朝方今にも雨が降りそうな曇天でありましたが、次第に晴れ間が広がり、この上なく天気に恵まれる中で秋の例大祭を迎えることが出来ました。好天の御蔭のみならず、御祭神の御神徳に相応しく、本大祭がいずれにおきましても御縁日に相応しく厳かにお納め出来たことは何よりも有難く、お支えくださいます貴台に対し感謝とともに実り豊かな幸を心からお祈り申し上げます。
神仏分離令と祭事の復古
廃仏毀釈と神仏分離令によって仏道、修験道に関わる諸々が途絶えてしまいました。
古の白鳥権現社を創建、護年(※正確な年数が判別できません)に亘り神仏習合の信仰が継承されており、神前において当然の如く読経がなされていたものでありますが、明治のめられ(※「められていた」と推測されます)ていたことを鑑みて、大祭の始まりにおいて般若心経を奏上いたしました。
性空上人の創建から約九百(※「九百年」と推測されます)がありませんが、この由来また般若心経(当社由緒記では弘法大師心経と伝えている)が本殿に長く大切に納められていた(※「納められていた」と推測されます)ことを偲ばせるものがあります。
白鳥権現社の由緒とご縁日
当社で最も由緒のある御縁日は、平安中期において天台宗の性空上人が白鳥山の六観音御池(昔は白鳥池と云われていた)で法華経の読経苦行の末に日本武尊が現れて御神託をされ、本体は慈悲観世音菩薩でありながら仮の御姿として白鳥権現を祀るよう告げられたことに由来いたします。
今の神社においては、読経を行う祭式でありますが、性空上人が当社の行く末を見守ってくださる感じがいたしました。御縁日における性空上人の御心に照らして所縁のある般若心経を奏上いたしたことで祭事が荘厳になるのみならず、大神様の御神威を高め、さらに御神域を厳かに、清々しくしていただきました。
野太刀自顕流の奉納
祭事の後で野太刀自顕流を演武していただきましたが、古武道の技の力強さや迫力だけでなく、当社御祭神の日本武尊が在世中に全国各地を草薙剣の力によって平定されたことにも通じ、日本武尊を清め、練磨する古武道であることと兵法会の方々との御縁によりここ十年に亘り恒例で御奉納いただいております。
野太刀自顕流は、体の鍛錬もさることながら心の鍛錬もさることながら、大神様の御神威を高め、さらに御神域を厳かに、清々しくしていただきました。
結びの言葉
貴台におかれましては、御参列、野太刀自顕流の演武が御奉納され、さらには御参列の皆様が崇敬の念厚く多数御参集くださり、また諸々の支援も受けながら本大祭がつつがなく厳修出来ましたことをご報告いたします。
御参列、献納を賜りましたこと、茲に深く感謝申し上げます。
謹白
令和七年 十月 吉日
白鳥神社 宮司 新宮 敏郎
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