白鳥神社 「心の深呼吸」
フランスから、自転車と一緒に日本を旅しているフロリアンくん。フランスサイクルツーリズム連盟(FFVELO)のメンバーでもある彼は、風を感じ、景色を楽しみながら、宮崎県えびの市の「白鳥神社」にたどり着きました。
彼がそこで出会ったのは、これまでの旅とは少し違う、不思議で温かい時間だったようです。
巨木たちが守る、優しい静寂
神社の境内に一歩入った瞬間、彼は思わず立ち止まりました。そこには、街の中とは全く違う、ひんやりとして清らかな空気が流れていたからです。
特に彼を驚かせたのは、空を覆うような大きな大きな木々。かつて奈良の大仏様のお家(東大寺大仏殿)を作るために、この神社の木が運ばれたというお話を聞いて、彼はその歴史の深さに目を丸くしていました。何百年もの時間を生きてきた木々に囲まれていると、自転車で走り続けてきた疲れが、魔法のようにスーッと溶けていくのを感じたそうです。
「すべてに神様がいる」という、素敵な考え方
フロリアンくんがこの場所で一番心を動かされたのは、日本の「八百万(やおよろず)の神様」という考え方でした。
毎日、風を切って走り、雨や太陽の光を全身で受け止めるサイクリストの彼にとって、木や石、風といった自然のひとつひとつに神様が宿っているという教えは、とても自然で、素敵なことに思えたようです。
「目には見えないけれど、ここにはとても大切な何かが流れているね」
そんな風に、彼はインスタグラムの投稿で語っています。
苔が生えた古い石段や、風に揺れる葉っぱの音。そんな何気ない風景の中に、彼は日本人がずっと大切にしてきた「自然へのリスペクト」を肌で感じ取っていました。
言葉はいらない、魂が触れ合う時間
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が白い鳥になって舞い降りたという伝説を聞きながら、彼は古い社殿に刻まれた素晴らしい彫刻をじっくりと見つめていました。たとえ言葉が完璧にわからなくても、そこで流れている空気や、場所を守り続ける人たちの思いは、フロリアンくんの心にストレートに届いたようです。
神社は、ただの「古い建物」ではなく、今も大切にされている「生きている場所」。
フランスからやってきた一人の青年が、静かな森の中で自分自身と向き合い、日本の心と繋がった瞬間でした。
新しい発見と共に
自分の足でペダルを漕ぎ、一歩ずつ進む旅だからこそ、出会える景色があります。白鳥神社の森でもらった心のエネルギーは、彼のこれからの旅を、もっと優しく豊かなものにしてくれるはずです。
「またいつか、この静かな森に戻ってきたいな」
そんな余韻を残しながら、フロリアンくんの自転車旅は、えびのの豊かな自然に包まれてこれからも続いていきます。

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